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CEDEC2015 和田洋一氏の講演について

CEDEC2015 和田洋一氏の講演について記事が公開さました。さすがにゲーム業界では名前の知れた人ですから、いい意味でも、悪い意味でも、わりと拡散されておりますね。

以下の2点から、感想を…。

 

  1. 経営者としての視点
  2. 和田氏の好きなことはなに?

 

(1)の経営者の視点としては一部Good

先駆者が一番利益を得ることができますから、何事においても先駆者を目指すことはある面からすると正しい。しかし、それには技術研究費がどんどんつぎ込まれるという経営的リスクがあります。

商売にはリスクを取って儲けを得る面がありますので、一概にリスクがNGではないのですが、やはりかけるリスクに対して、リターンの可能性は未知数すぎるので、少し怖いところはあります。

ネット上のニュース記事という、限られた情報の中で彼のこれまでの実績を見ると、先駆者になろうとしすぎて空回りしているようなところがあります。ちょっと先を行き過ぎているのですね。経営者として、先駆者になりブルー・オーシャンを開拓したい気持ちはわかりますが、スクエニHDくらいの企業であれば世間に順張りでも十分な利益を上げることが出来るのではなかったのでしょうかねぇ。

 

シンラは独立した企業ではなく、スクエニHDの子会社ですので資金がなくなったからといって、銀行に刺されることはないでしょう。シンラが背負うリスクは解散のリスクくらいしかないのかもしれません。スクエニを辞めたのも「思う存分先駆者になれ」と送り出されたからでしょうかねぇ。

 

(2)和田くんは自分をさらけ出したほうが良いよ

和田氏の講演を読んでいても、まったく心には響きません。「それはそうだね」としか評価できないのです。言っていることはまとも、しかし、技術的に過去作を踏み台にして作った技術的に優れたゲームに人が集まってくるかどうかは疑問です。

ゲームは面白いからプレイされるのであって、過去作を踏み台にしたからとってプレイされるわけではありません。ストレートに言えば、誰が作っているかが重要なので、どんな技術が使われているかは重要ではないのです。

 

グランツーリスモ山内一典さんや、ポケモン田尻智さんが一番わかりやすい例ですが、彼らは自分の好きなモノをゲーム(遊び)に落としこんで商品化しています。FFの映画的手法も坂口博信さんの好きなこと・やりたいことの延長にありましたし、ドラクエも初期の頃は、堀井雄二さんのやりたいこと・表現したいことの延長に続編が作られていったのではないかと思います(堀井雄二さんの場合、自分の好きなものはアドベンチャーゲームの方で実現していたのではないかと推測)。

 

結果論でしかありませんが、山内さんや田尻さん堀井さんに坂口さんが作っていたからその商品を買うのです。今現在現役プレイヤーを上げれば、マリオ・ゼルダの宮本さん、ロマサガの河津さんが作っているから欲しくなるのです。

根拠の無い仮説ですが、仮に誰が作ったか知らずに商品を買っていたとしても、ゲーム製作者の好みが反映されているもののほうが、ヒットして何本も続編が作られる用に思います。

リズム天国はつい最近までつんくさんが作っていると知らなかったですし…。

 

和田氏が、本当にヒットを飛ばしたいなら、技術とか、経営戦略とか御託をごちゃごちゃ言うのではなく彼が好きなものをゲームに落とし込んだほうがよいでしょう。

例えば、お金を稼ぐのが好きなら、刺激的な金儲けゲーを作ればよいのです。自分の趣味全開で、面白いと思う要素を詰め込んでマニアックなものを作るべきです。

  「あの和田社長が作る金儲けゲーの珠玉の一作!

   ↑こう聞くとちょっと興味湧いてきますよね。

野村證券出身なのですから、株で超絶刺激的で面白いゲームを作っても良いのですし、学校を作ろうのような経営シュミレーションを作っても良い。なんだったら、詐欺師になって人をはめるゲームだって良い(←和田氏が詐欺師と言っているのではないので注意)。

 

技術ウンヌンや経営戦略ウンヌンの話は、もう終わりにして、自分の好きなモノを作ってみてはどうでしょう。ニュース記事でしか見えてこない人柄?でこれだけあくが強いことが見て取れるのですから、絶対面白いものが作れると思いますけどね。