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貧困と自殺について

先週か先々週でしたか、悲惨な事件が起こりましたね。
新幹線の先頭車両で焼身自殺をした老人の話。

誰だって叩けばホコリが出てきますから、パチンコにハマっていたとか、酒好きだったとかは、瑣末な問題たと思います。
どんな高名な人だってそういうものに溺れてしまう場合がありますから、娯楽と言う意味では、その老人にとっては必要だったのかもしれません。

貧困な老人は、娯楽を全くせずただジッとしていろというのは、持てるものの傲慢ですね(ギャンブルやアルコールに使っていたのか、と言う怒りの感情も理解できますけどね…)。生活保護を受けている人間は、一切娯楽を……つまり、遊んではいけないというのは、人権を無視した発言です。

ひとはロボットではありません。
いえ、仮にロボットだとしても、働き続ければがたが来ますから、しっかりとメンテナンスしなければいけませんし、いつかは働けなくなって、新しいロボットに取って代わられる場合があるでしょう。

メンテナンスは、休息と同義です。
更に人間の場合は、体を休める休息と、精神を休める娯楽的な休息に分けて考えることが出来るでしょう。寝てばかりで体を休めても、心は休まりませんから、どこかで娯楽で気を緩める必要があります。
コレはたとえ生活保護を受けている人間でも、無くてはならないものです。
人間としての基本的な生活を守るために、生活保護制度があります。悪用するひとについて言えば、そのひとの問題であり、生活保護を受けなければいけない人間はしっかりとその権利を行使して、人間らしさを確保しなければいけないでしょう。
そうすれば、若ければ、再起を計る事もできますし、年寄りは要らぬ暴走で世間を騒がすこともないでしょう……。

今回の事件は、年金では生活できないため――と言う理由で起こりえました。
死んだ人間の揚げ足を取って、放蕩していたと批判するのは簡単ですが、それを自分に置き換えて、「自分が年老いた時、年金で生活できるのか?」と考えるようにすればもっと建設的な意見が生まれたかもしれませんね。

都会で、年金だけで生活しようとすると、かなり大変です。
65歳までにどれだけ貯蓄していたとしても、突然の病気や、自分の親の介護で貯蓄がなくなってしまう場合があります。そうなった時、都会で生きていくにはどうしてもお金がかかってしまいます。

さて、そうなりそうな気配を感じたら、田舎に引っ越せばいいと安易に考える人もいるでしょう。
ですがコレは、今の自分の立場から話して(考えて)いるだけで、老人の立場に立って考えられた発言ではありません。
移動する体力も、精神力も乏しくなり、さらにお金もなくなってしまった老人に、新しい地域に引っ越す勇気が持てますでしょうか?
一般的には無理でしょう……。

それに田舎は、田舎のネットワークがすでに形成されています。新参者が入ったところで、結局都会と同じような孤立に陥ってしまうでしょう(地域によりますが)。


今回の事件について言えば、なくなられた方もいて、見る人の憤りがとても強くなってしまいますが、それと同じくらい老人の貧困について考えなければいけない重要な事件だと思います。
ある意味ターニングポイントとなっても良いくらいの、センセーショナルな事件です。