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ランボー 感想

最初のランボー見ました。

少しニュアンスは違いますが、狼に育てられた子供が人間社会に溶け込めずに問題を起こすように、ランボーも社会の敵としてまるで凶悪犯のように描かれています。どちらも正当防衛で行動してしまった結果、社会の敵となってしまうわけですが、その背景には偏見が潜んでいます。

グリーン・ベレーとしてベトナム戦線で戦争のためだけのマシーンとして教育されたランボーに、平穏な日常生活は与えられないのです。周りからはその顔のため、犯罪者だとあらぬ誤解を受け、実直さ素直さは、恐怖を誘うためだけのものになってしまいます。

戦争が得意でもコミュニケーションが上手くない。
青年時代を軍人として歩んだものが、社会と適合できない様子がとても良く描かれています。
社会と適合できないと記載しましたが、これはランボー自身が悪いのではありません。ランボーは青年時代、アメリカという国のために外国に行って戦ったのです。そのために、普通のコミュニケーションを取りにくくなってしまっています。

誤解されないようにフォローしておくと、戦争に行った人全員が、コミュニケーション不全になるということではありません。一部素直に教官の話を聞いて戦争マシーンになってしまったかわいそうなものだけが、そうなってしまうのだと考えられます。
そもそも、戦争というショッキングな事象に対峙して、正常な精神を保っていられるかと言うと疑問ですね。若いうちに人を何人も銃殺してきたのです。自国でそれをすれば完全なる凶悪犯になるところですが、戦争の相手国でそれをやってもまったく罪に問われません(状況によっては罪になる)。

ランボーが、人を殺す殺戮マシーンになっているというわけではありませんが、娯楽作品の裏に、考えさせられるエッセンスが散りばめられてありますね。
2000年代においても、物語の完成度は高く、役者の体を張った演技も素晴らしい。見応え充分なとてもよい作品に仕上がっていると評価できます。

爽快なアクション映画の顔を持ちながら、それだけではない二枚目の部分も三枚目の部分もある。この奥の深さが味となって、構成に残っていく力となるのかもしれませんね。
ランボー最高!