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コナン映画(15作目)

名探偵コナンの映画15作目「沈黙の15分」見ました。
感想は、うーん、「どんまい!」ですかね。

これまで14作まで見てきましたが、視聴後感は「あれ?」疑問符です。
今作は、これまで以上にデジタル化・3D表現が頻繁に使われており、映像表現は進化していると思いました。
しかし、お話の部分は、ちょっとだけ退化しているように思います。


順を追って解説するわけにもいかないので(ネタバレになりますから)、おおまかな印象です。

「アクションはカッコ良い! だけどリアリティがない」

残念な印象は、リアリティが欠けているところですね。登場人物たちの行動はもちろんのことですが、アニメーションの部分で人智を超えた……肉体の限界を越えたサイボーグのような……超人のような行動をコナンがします。
アニメーションですから、どうとでも描けます。所詮は絵でしかありませんから。ですが、絵であったとしても、そこに重力や肉体制約があることを感じさせてくれることで、そのキャラクターたちにリアリティが感じられるのです。そのキャラクターが現実にいそうと錯覚させるためには、基本的な動きのルールを逸脱しては行けません。

今作に限りませんが、コナンシリーズで不満が残った作品はすべてアニメーションのリアリティが著しく欠如している事が多かったです。そして、それらの作品に共通しているのは、お話のリアリティも失われているということ。

多くの方が批判している、犯人の動機については、百歩譲って許せます。ちょっと大げさすぎますが、そういうキャラクターということで納得すれば良いのです。「正常な判断ができない人なんだな」とお客さんが理解できれば、動機についてそれほど批判は起こらないでしょう。

悪かったところを上げ続けることは出来るのですが、生産性が無いため、あえてどこを直せば今作が良くなるのかを考えてみましょう(笑)。


簡単な答えは、「地に足をつけた演出をすること」です。
刺激的なアクションシーンは見ていてかっこ良く見えます。映像表現上は確かにハラハラ・ドキドキします。子どもたちは、コナンのカッコ良いシーンに惚れるでしょう。しかし、映画はアクションシーンだけで成り立っているわけではありません。

コナンが敵対するライバルと対峙し、困難を超えて事件を解決することが大切なのです。
その困難は、ご都合主義的な描写で克服するのではなく、本当にどうして良いかわからない状況の中、持っている力を全力で出してこそ、最後のエンディングで満足できるのです。

ライバルキャラの設定も、今作は小物でしたので本当なら変えてしまっても良いのかもしれませんね。あえて犯人役を変えないなら、やはり、全シーンが納得行くように演出せざるを得ませんね……。

事件の解決方法も、歩きながら「まだ確証はねぇけど」と話すのではなく、別の手段をとって……。

うーん、考えだすとキリがないですね(笑)。
でも、つまり、そういう作品だということだと思います。